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動物園の「いま」を考える 

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はい、れいあです。
最近ヤフーニュースで更新された記事に
わたしがレン君目的で2-3か月に一度通う
福岡の大牟田市動物園がとりあげられていました。

「動物園」は何のためにあるのか 苦境で問われる存在意義
http://news.yahoo.co.jp/feature/287

最近大牟田市動物園について西日本を中心にメディアでとりあげられる機会が多くなっています。
それは以前も記事にしましたが
大牟田市動物園のとある「取組み」が注目されているからです。

それはハズバンダリートレーニングについて。
そしてわたしが最初に大牟田市動物園に行ったときに感銘を受けた
老カンホームなどの老いた動物に対する向き合い方の提案。

ハズバンダリートレーニングを行う大牟田市動物園 on May05, 2016
http://funkysista.blog88.fc2.com/blog-entry-3647.html

実は、大牟田市動物園、記事によれば、かつては閉園の危機にさらされたことがあったようだったんですね。
この記事で初めて知りました。

ここでは大牟田市動物園の背景や取り組みなどをベースとし、いろいろ思うことを書いていきたいと思います。

以前にも書いたかと思うのですが、わたしはもともと小学校の時、飼育委員をしていました。
というのも家で動物を飼うことを禁止されていたからです。
まぁよくある話で、面倒をちゃんと見れないのにとかそういうレベルのものや住宅事情もあってなのですが。

小学3-4年のとき友達の家に行くとインコがいて「かわええ~~~」!と思い、ほしくなったのですよ。
そしてとにかくほしいと言い続け小学校5年のときにインコを飼うことができたのです。
動物は家族会議?で禁止となっていたのです。
そんな中のインコはすごくうれしかった。
それ以来インコ以外の動物にも興味がわいてきて・・・

で、飼育委員会に入ったのです。
とにかくいろんな動物と触れ合いたかったんですね。
でも学校で飼っていた動物の死などを経て
やっぱりわたしは動物は家では飼えない気がしました。

さてそれから長い年月がたちレッサーパンダのレン君の美しさに2013年晩秋からハマりました。
レン君に偶然ネット検索で触れ、それ以降レッサーパンダの生態など調べ続けていました。
たとえばアライグマとの違いは?とかね(笑;

パンダというと、おそらくはまず思い浮かべるのはジャイアントパンダである人がほとんどかもしれません。
わたしもかつてはそうでした。

ジャイアントパンダというと関東に住んでいると上野動物園のパンダの繁殖についてが注目されたりメディアで取り上げられたりすることが多いのですが
和歌山にあるアドベンチャーワールドにもパンダはいます。
和歌山のアドベンチャーワールドは動物園や水族館、遊園地なんかがいっしょになっていて
これらにいつか行きたいなって思っています。
そして神戸市立王子動物園ではジャイアントパンダだけでなくコアラも一緒に見られる動物園だったりします。

そんなふうに、動物園には一定の目的の動物、いわゆる客寄せ的な要因があるのは否めません。

そんな中で注目を集めたのは旭川の旭山動物園。
ここは「行動展示」というものが注目されている動物園です。
では、行動展示とは何か。
これまでの動物園の形態は、たとえば「分類学的展示」。
これは何科に属している動物というかんじで生物学的な分類をし、解説などをする展示方法です。
または「地理学的展示」。
これはたとえばアフリカの動物、というような生息エリアごとの展示方法です。
そんな中旭山動物園が提唱したのが「行動展示」という方法でした。

これもかつて書いたことがあるかもしれませんが、
「環境エンリッチメント」という言葉があります。
動物園というと主役は動物ではありますが、生育スペースなど、動物が主体というより
人間が観察するための場所という意味合いが強かった。
「環境エンリッチメント」というのは、動物が主体。
動物の行動特性などに着目し、飼育されている動物のための環境を整えていくというふうに
動物本来の性質を出しやすくしていきます。
これをすべての動物に対して施したのが旭山動物園なのですが、
これにより動物の行動に変化が出たのです。
結果「行動展示」というような展示になっていったようなかんじの印象を受けました。

そんな旭山動物園の在り方はおそらく動物園業界の関係者のこれからの動物園の在り方のひとつを示すための刺激となったのではないかなと。

前述したように、うちの動物園には○○がいます、というふうに
ある意味「ウリ」となるものがこれまでの動物園にはありました。

しかし、この状況が変わりつつあるのです。
そんな中、どう変わっていくのかについて、大牟田動物園に昨年からですが行くようになって
そのわずか1年ちょっとの間でもいろいろなことを考えさせられました。

大牟田市動物園にいくと「ゾウはいません」と入口に貼ってあります。
2013年9月に大牟田市動物園のアフリカゾウのはなこがなくなりました。
そういえばつい今年の5月にも井の頭自然文化園のゾウがなくなったことが注目されていました。
動物園でのゾウの繁殖は非常に難しいとされています。
それはゾウの神経質さというのも関係してくるのだろうなと思ったりします。

この大牟田市動物園の「ゾウはいません」という案内には様々なメッセージとして読み取ることができます。
それは冒頭でも書いた、動物園の在り方であったり、存在意義にも関係してきます。

大牟田市動物園の運営費は、年間1億3千万円あまりだそうです。
人件費に8000万円、動物のえさ代に1400万円。
そして新しい動物を手に入れるための予算は、300万円程度ということです。

大牟田市に限らず、多くの動物園の運営は自治体が行っています。
つまり税金がここに投入されているわけです。
言い換えれば動物園の動物は自治体の財産ともいえます。

しかし、そんな中、動物園の運営は非常に厳しい状況に各自治体は陥っています。
わたしが大牟田市動物園に寄付をするようになった目的は
一番はレン君がいるからなのですが、
レン君だけじゃない、動物園の動物たちに使われてほしい気持ちがあるからです。

「ゾウがいません」
2013年の秋になくなった大牟田市動物園のゾウ。
でも、それから少なくともわたしが先日行った2016年7月にもその案内はありました。
それはそれだけ長い間愛されていたのだなということがわかるのですが
なぜゾウを購入しないかということに関係してきます。

先ほども書いたようにゾウの繁殖はむつかしいものです。
それにゾウだけではないのですが、国内の動物園の動物の高齢化というのもあります。
では新しく動物を購入しようとすると
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締結が大きく関係してきます。
アジアゾウ、アフリカゾウともに野生では絶滅の危機にあるのです。
しかし繁殖のための研究という目的ですと輸入がOKになることもあります。
でもそのためには国との関係があるなどという政治的な背景も絡んでくるようです。
そんなわけで、この条約締結以降、動物の売買そのものが少なくなっています。

なぜゾウがここまで絶滅の危機にさらされてしまったかというと
おそらくみなさん、ご想像のとおり、
象牙を目的とした乱獲が背景にあります。
またゾウの行動範囲は広く、ゾウが生活する空間が森林伐採などによって生息数が激減したことにあります。
この「乱獲」や「森林伐採」という環境問題は、レッサーパンダにも同じことがいえます。
おそらくそれ以外の様々な動物にもあてはまるのではないでしょうか。
レッサーパンダ( Red panda)はワシントン条約附属書1表、IUCNレッドリスト:絶滅危惧2類(VU)に指定されています。
また、レッサーパンダは種の保存を目的に国際種管理計画(GSMP)会議が2012年に開催されました。

動物園の動物を購入することが難しくなった今、種の保存という視点から、
動物園間でのトレードや増えすぎた動物の譲受け、
「ブリーディングローン」といって繁殖のためレンタルをし動物を展示するケースがあります。
ブリーディングローンは、他の動物園から同じ種の動物を借り、展示させてもらうやり方ですが
これは交配相手がいなくて繁殖ができなかったり、近親交配を避けるために行うためのものです。
レン君も市川の動物園より大牟田にきたのは「お婿さん」としてきたものなので、
おそらくはこれに該当するものだと思います。(詳細はわからないのですが)

そして大牟田市動物園では昨年「キリンのリン君の婚活作戦」と題して大々的に寄付を募っていました。
(わたしも寄付させていただきましたが)
目標額2500万円のところ1800万円の寄付があり、今年の3月にプリンちゃんという雌のキリンが埼玉県こども動物自然公園から来園することになりました。

大牟田市動物園キリン募金「リン君の婚活大作戦」へのご協力ありがとうございました
http://www.city.omuta.lg.jp/kankou/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=7315&class_set_id=7&class_id=640


キリン舎はレッサーパンダ舎のすぐ隣なので、いつも行くたびにリン君にも会っています。
実はそんなキリンのリン君も名古屋市の東山動物園から来たキリンさんなので、
こんなふうな工夫による展示が国内の動物園ではされていたりします。

そして、展示動物の高齢化もあります。
このあたりは大牟田市動物園でわたしが感銘をうけたところでもあるのですが
老いた動物の姿を見せて命のありかたを問うということがあります。
老カン(カンガルー)ホームのようなものを設けたりと、
動物園の動物も人間と同じく歳を取って、そして死んでいく。
動物のあり方を、その生きざまから見て感じる。

確かにこれが野生の動物であったら・・・ということはあります。
わたしは動物園のレッサーパンダを野生に返すという、インドだったかな?そのドキュメンタリーDVDを持っていますが
結果的に動物園の動物が野生でやっていくのはかなり困難であったという印象がありました。

でも、これはペットで犬や猫を飼うということと、
(よくはないですが)家で買われていたペットを野に放つのとある意味似ているなと。

動物園の存在意義に対してなど問われていったりする必要はあるかと思います。
それと同時に、動物園の在り方も変わっていくと思うし、
どこの動物園は何がいるから行く、というだけの時代でもなく
ワシントン条約に左右されない、何か特徴を見出していく時代なのだと思います。

また、わたしは動物園に行くようになって、その入園料の安さに驚きました。
しかしそれには、背景にある、動物園の入園料の安さ(税金で賄われている)という点について、
民間に管理を任せることも視野にいれるなど含め、考えていく時がきているのではないかなと思うのです。
そのためにもっと個々の動物園の特徴を出した方法など、模索をしていく必要があるのです。

大牟田市動物園のFacebookページなどを見ていると、
様々な動物園の取り組みなどについても参考にしていたりします。
学界的な発表に積極的に参加したり、動物園間のデータの共有なども提唱していたり、
もっと多くの動物園が、これを参考にしていくためのモデルケースとして
「ありのまま」の動物を見せるというスタイルを
動物園のありかたについて注目されているのが大牟田市動物園なのです。

飼育員の方々はただ餌をあげたり、掃除をするなどだけではありません。
・・・ということについても大牟田の動物園に足を運ぶと資料館などで知ることができます。

動物園の役割について含め、たとえばもっとその「のびしろ」について考えていくときがきています。
そしてそれは動物園に存在し、わたしたちを楽しませてくれている動物たちにも影響があります。

楽しい動物園をもっと楽しく、時に学んでいくために、
新たな動物園の在り方をもっとこの先模索していく時代がいまきているのです。

大牟田市動物園
http://www.omutazoo.org/

大牟田市動物園Facebookページ
https://www.facebook.com/omutazoo

飼育スタッフブログ
http://omutazoo.exblog.jp/


ネットニュース番組で大牟田市動物園についてとりあげられたとき
レン君も映っていたときの映像スクショ↑


今年1月に行ったときの動画より。
物音がしてびっくりしてこちらを見た時のレン君なので少しきょとんとしていますw


(Yahoo記事は一定期間で消えてしまうので保守)

「閉園の危機から復活した市営動物園

そうしたなか、新たな取り組みによって、自らの存在意義をアピールする園が出てきている。
福岡県の大牟田市動物園は、採血や体重測定などの健康管理やそのための動物のトレーニングの様子をそのまま来園者に公開する先駆的な取り組みで注目され、閉園の危機から息を吹き返した。
同動物園では、採血などをスムーズに行うために動物を教育する「ハズバンダリートレーニング」を導入している。獣医の川瀬啓祐さんによると、きっかけは飼育動物の高齢化にあった。
日本一長生きのペリカンをはじめ、約300いる動物の半数以上が寿命に近い年齢だ。健康管理のために採血などが必要になるが、麻酔をかけて実施すると、かえって動物の命を危険にさらすことになる。そこで、麻酔のリスクを減らすため、3年前にトレーニングを始めたのだという。
そのトレーニングや採血の様子を来園者にも見せるようにした。逆境を逆手にとって特色にしたのだ。川瀬さんは言う。
「うちの園の意義としては、飼育している動物のありのままの姿を見せて、お客さんに何かを感じ取ってもらえればと思っています。だから、動物が病気や寝たきりになっても、そういう紹介をして、(来園者に見えるように)出しています。動物の一生のあり方を伝えていくのも、僕らの仕事なので」
高齢動物のケアを見せることで、来園者が飼育員に「あの子大丈夫?」と尋ねたり、心配して様子を見にきては「頑張ってね」と声をかけてくれたりと、関心の高まりを感じるという。
大牟田市動物園の入園者数は、ピーク時の1992年度には年間41万人を記録した。しかし、1997年に市の基幹産業だった三井三池炭鉱が閉山した影響などで来園者は激減し、2004年度には13万人まで減った。
同年、市は閉園を視野に入れた方針を発表。存続を願う市民の声に押され、民間に委託する形で運営が継続された。「動物のありのままの姿を見せる」という運営方針が功を奏し、2015年度には、入園者数が19年ぶりの21万人を記録するまで回復している。」

レン君

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